富山県の黒部峡谷を走る「黒部峡谷鉄道」は、トロッコ電車に揺られながら、黒部川や山々の景色を楽しめる観光鉄道です。
結論からいうと、長い距離を歩かなくても黒部峡谷らしい景色を楽しめるのが、黒部峡谷鉄道の大きな魅力です
私はこれまで何度か黒部峡谷鉄道を訪れ、宇奈月駅から鐘釣や欅平までトロッコ電車に乗車しました。
窓のない普通客車では、風や音を直接感じながら進んでいきます。深い谷を流れる黒部川や橋、ダム、山々が次々と現れ、「移動そのものが観光」になる場所でした。
一方、2024年の能登半島地震の影響により運行区間が変更されていましたが、2026年9月30日までは宇奈月駅~猫又駅の折り返し運行、10月1日からは宇奈月駅~欅平駅の全線運行再開が発表されています。
この記事では、実際に乗車したときの体験をもとに、黒部峡谷鉄道の見どころや所要時間、アクセス、客車選びなどを紹介します。
※私が乗車した当時と現在では運行状況が異なります。2026年の運行情報については黒部峡谷鉄道公式サイトの最新情報をもとに記載しています。
黒部峡谷鉄道の基本情報
| 項目 / Item | 内容 / Details |
|---|---|
| 名称 / Name | 黒部峡谷鉄道 / Kurobe Gorge Railway |
| 出発駅 / Departure Station | 宇奈月駅 / Unazuki Station |
| 所在地 / Location | 富山県黒部市黒部峡谷口 / Kurobe, Toyama |
| 2026年9月30日までの運行 / Operation through Sep. 30, 2026 | 宇奈月駅~猫又駅 折り返し運行 / Unazuki–Nekomata round trip |
| 2026年10月1日~11月30日 / Oct. 1–Nov. 30, 2026 | 宇奈月駅~欅平駅 全線運行再開 / Full service to Keyakidaira |
| 猫又往復の所要時間 / Travel Time | 約120分(猫又駅での休憩を含む) / Approx. 120 min. |
| 猫又往復運賃 / Round-trip Fare | 大人2,820円 / Adult ¥2,820 |
| リラックス客車 / Relax Car | 1乗車600円 / ¥600 per ride |
| 駐車場 / Parking | 宇奈月駅前に有料駐車場あり / Paid parking available |
| 公共交通 / Public Transportation | 富山地方鉄道・宇奈月温泉駅から徒歩約5分 / Approx. 5-min. walk from Unazuki Onsen Station |
| 公式サイト / Official Website |
黒部峡谷鉄道公式サイト / Kurobe Gorge Railway Official Website |
※運行状況や料金は変更される可能性があります。旅行前に公式サイトで最新情報をご確認ください。
宇奈月駅周辺で少し時間があるときは
トロッコ電車の乗車前後に少し時間があれば、宇奈月駅周辺を見て歩くのもおすすめです。
宇奈月駅近くには、黒部川の電源開発や黒部峡谷の自然について紹介する「黒部川電気記念館」があります。トロッコ電車に乗る前に立ち寄ると、これから向かう黒部峡谷について少し知ることができます。

宇奈月駅前にある黒部川電気記念館
また、宇奈月温泉駅前には温泉の噴水があり、湯けむりが上がる様子も温泉地らしい風景です。

宇奈月温泉駅前で見られる温泉噴水
どちらもトロッコ電車とは別に長い観光時間を取るというより、乗車前後の時間に宇奈月らしさを感じられるスポットとして覚えておくとよいと思います。
トロッコ電車の乗車前後にもう少し宇奈月温泉で過ごしたい場合は、駅周辺で楽しめる体験をあらかじめ探しておくと、待ち時間を使いやすくなります。
アソビューには宇奈月温泉周辺で楽しめる体験プランもあるので、旅行の日程に余裕がある方は一緒に確認してみてください。
宇奈月駅からトロッコ電車の旅へ

黒部峡谷鉄道の旅が始まる宇奈月駅
黒部峡谷鉄道の旅は、宇奈月駅から始まります。
富山地方鉄道の宇奈月温泉駅から黒部峡谷鉄道の宇奈月駅までは徒歩約5分。車の場合も宇奈月駅前に有料駐車場があるため、公共交通でも車でも訪れやすい場所です。私が訪れたときも、ここからトロッコ電車に乗車しました。
一般的な電車とは違う小さな車両を目の前にすると、乗る前から少しわくわくします。そして出発すると、早い段階から黒部峡谷らしい景色が広がっていきます。

宇奈月駅で出発を待つ黒部峡谷鉄道の車両
トロッコ電車から眺める黒部峡谷
黒部峡谷鉄道で特に印象に残っているのは、やはり車窓からの景色です。
宇奈月駅を出発すると、新山彦橋や宇奈月ダム、うなづき湖など、さまざまな景色を見ることができます。
黒部川の水と深い山々を眺めながら、小さなトロッコ電車でゆっくりと峡谷の中へ入っていく感覚は、普通の鉄道旅行とは少し違います。
特に窓のない普通客車では、風や川の音、トロッコ電車が走る音まで直接感じられます。トンネルに入ると空気が急にひんやりしたり、抜けると目の前に山や川が現れたりと、景色だけでなく環境の変化そのものを楽しめました。

トロッコ電車から眺めた黒部川と峡谷の風景
個人的におすすめなのは新柳河原発電所
車窓から見えるスポットの中で、私が特に好きなのが「新柳河原発電所」です。
うなづき湖のほとりに建つ発電所で、まるでヨーロッパのお城のような外観が印象的です。山と湖が広がる景色の中に突然現れるので、とても印象に残ります。黒部峡谷鉄道に乗るなら、ぜひ車窓から探してみてほしいスポットです。
こうした景色を次々と眺められるのも、トロッコ電車に乗って黒部峡谷を旅する楽しさだと感じました。

うなづき湖のほとりに建つ新柳河原発電所
普通客車とリラックス客車、どちらがおすすめ?
黒部峡谷鉄道には、大きく分けて「普通客車」と「リラックス客車」があります。普通客車は窓のないオープン型で、黒部峡谷の風を直接感じられるのが魅力です。一方、リラックス客車は窓付きで、座席には背もたれがあります。
| 客車 / Car | 特徴 / Features | こんな人におすすめ / Recommended for |
|---|---|---|
| 普通客車 / Open Car | 窓なし・4人掛け / Open-sided, 4-seat row | トロッコらしい開放感を楽しみたい |
| リラックス客車 / Relax Car | 窓付き・背もたれあり・3人掛け / Windowed, 3-seat row | 座りやすさや天候が気になる |
普通客車は窓がないため、雨の日には雨が吹き込む可能性があります。
「トロッコらしい開放感を楽しみたいなら普通客車」「座りやすさや天候が気になるならリラックス客車」と考えると選びやすいと思います。

黒部峡谷の風を直接感じられる普通客車
雨の日や寒い日は服装に注意
黒部峡谷鉄道は、天候によって乗車時の印象がかなり変わります。特に普通客車には窓がありません。雨の日は雨が吹き込む可能性があり、トンネル内では季節によってかなりひんやり感じることもあります。
私自身もトンネルに入ったときの空気の変化は印象に残っています。季節によっては上着を用意し、雨予報ならカッパやポンチョなどの雨具を持っていくと安心です。
2026年9月30日までは猫又駅で折り返し
2026年9月30日までは、宇奈月駅から猫又駅までの折り返し運行です。猫又駅では約20分停車し、展望台やフォトフレーム、仮設トイレなどが設置されています。通常は観光客が下車できない駅なので、現在だからこそできる体験でもあります。
宇奈月駅~猫又駅の往復所要時間は、猫又駅での休憩を含めて約120分です。なお、私は猫又駅で下車した経験はありません。ここについては実体験ではなく、現在の黒部峡谷鉄道の公式情報をもとに紹介しています。
2026年10月1日から欅平まで全線運行再開
黒部峡谷鉄道では復旧工事が進められ、2026年10月1日から宇奈月駅~欅平駅間の全線運行再開が決まっています。
私が以前訪れたときには、鐘釣や欅平までトロッコ電車で向かうことができました。
そのため全線運行が再開すれば、さらに黒部峡谷の奥へと進んでいく景色を楽しめるようになります。
ただし、全線運行再開後も欅平駅周辺では震災復旧工事が続き、当面は散策できる範囲が限られます。以前のように欅平周辺を自由に散策できるわけではないため、旅行前に公式サイトで最新情報を確認してください。

以前訪れたときの鐘釣駅
黒部峡谷鉄道は歩くのが不安でも楽しみやすい?
黒部峡谷鉄道の魅力のひとつは、トロッコ電車に乗っている時間そのものが観光になることです。黒部川や山、橋、ダムなどの景色を車窓から楽しめるため、たくさん歩かなくても黒部峡谷の自然を感じられます。
一方、乗り降りのしやすさについては客車によって違いがあります。普通客車よりもリラックス客車のほうが背もたれがあり、乗降口を広げたバリアフリータイプの車両もあります。
足元や乗り降りに不安がある場合は、予約前に黒部峡谷鉄道へ相談しておくと安心です。
車なしでも黒部峡谷鉄道へ行ける
黒部峡谷鉄道は、車がなくても訪れることができます。
東京方面からなら北陸新幹線で黒部宇奈月温泉駅へ向かい、徒歩約1分の富山地方鉄道・新黒部駅から宇奈月温泉駅へ。
宇奈月温泉駅から黒部峡谷鉄道の宇奈月駅までは徒歩約5分です。
そのため、トロッコ電車と宇奈月温泉を組み合わせた1泊旅行にも向いています。
宇奈月温泉に泊まるとトロッコ電車をゆっくり楽しめる
トロッコ電車は往復だけでも時間がかかるため、遠方から訪れるなら宇奈月温泉に1泊すると時間に余裕を持って楽しめます。
特に朝からトロッコ電車に乗りたい場合は、前日に宇奈月温泉まで移動しておけば、当日の移動が少なくなるのもメリットです。
宇奈月温泉に泊まるなら、トロッコ電車の乗車時間が決まった段階で宿の空室も確認しておくと安心です。
特に紅葉シーズンや連休は宿泊先の選択肢が少なくなる可能性があるため、まずは料金や空室を確認し、トロッコ電車との時間を組み合わせやすい宿を探してみてください。
トロッコ電車をゆっくり楽しみたいなら、宇奈月温泉に泊まると翌朝の移動も楽になります。
宿泊料金や空室は日によって変わるため、旅行日が決まったら早めに確認しておくと安心です。
黒部峡谷鉄道へ行く前に知っておきたいこと
乗車してから困らないために、特に覚えておきたいのがトイレです。
トロッコ電車の車内にはトイレがありません。
乗車時間も長いため、宇奈月駅を出発する前に済ませておくと安心です。
また、列車は定員制です。
GWやお盆、紅葉シーズンなどは希望する列車や客車に乗れない可能性があるため、旅行の日程が決まっている場合は事前に予約しておくのがおすすめです。
黒部峡谷鉄道は乗っている時間も楽しめる観光スポット
黒部峡谷鉄道は、目的地だけでなく、そこへ向かう時間そのものを楽しめる観光鉄道です。
私が乗車したときも、黒部川や山々を眺めたり、トンネルを抜けたりしながら進んでいく時間が特に印象に残りました。
中でも、山と湖の中に突然現れる新柳河原発電所は、今でも好きな車窓風景のひとつです。
たくさん歩いて観光地を回らなくても、座って景色を眺めながら黒部峡谷の自然を楽しめるのも魅力。
2026年は運行状況が大きく変わる年でもあるため、旅行前には黒部峡谷鉄道公式サイトで最新情報を確認してから出かけてください。
遠方からなら宇奈月温泉に宿泊し、トロッコ電車と温泉を組み合わせてゆっくり楽しむ旅もおすすめです。

車窓から楽しめる黒部峡谷の美しい水辺の風景

